2025.06.10
お知らせ本学部の坂上潤一教授の提案課題が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)における令和7年度新規採択研究課題に条件付きで採択されました。
SATREPSは、科学技術と外交を連携し相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、地球規模の課題解決を目指す国際共同研究を推進します。昨今、SDGs(持続可能な開発目標)が世界で注目されている通り、気候変動や食糧問題、自然災害、感染症など、地球規模の課題は年々複雑化するとともに、特に影響を受けやすい開発途上国においては深刻な状況となっています。これらを解決するためには、国を越えた科学技術イノベーションの創出と研究成果の社会還元、人材の育成と研究能力の向上が必要です。SATREPSでは、環境・エネルギー、生物資源、防災、感染症の4つの研究分野を対象に日本と開発途上国の研究者がともに課題に取り組み、現地のニーズを踏まえながら実社会で活用可能な知識や技術を新たに創り出していくことにより、持続可能な開発を目指す国際社会に貢献します。
SATREPSでは、国内研究機関への研究助成のノウハウを有するJSTと、開発途上国への技術協力を実施する独立行政法人国際協力機構(JICA)が、国際共同研究全体の研究開発マネージメントを協力して行います。日本国内等、相手国内以外で必要な研究費についてはJSTが委託研究費として支援し、相手国内で必要な経費についてはJICAの技術協力プロジェクトの枠組みにおいてJICAが支援します。
採択研究課題名:「水稲の再生力を活用した多回収穫稲作技術体系の開発」
研究代表者名:農学部 坂上 潤一 教授
研究課題の概要:本研究は、ウガンダ共和国において、持続的な環境調和型コメ生産技術の開発に取り組み、食料問題と環境問題を同時に解決する方法を提案する。具体的には、株出し再生力に優れた水稲品種の選抜・育成および発芽促進技術などの適応によって、乾燥・冠水耐性などのレジリエンスを強化した多回収穫技術を開発し、生産量が増加する持続的で高収量な稲作モデルを確立する。また、AI農業ソリューションと衛星データ解析を統合したアプローチにより、肥培の管理方法や収穫の適切な時期の判断方法など、栽培管理技術の高度化を試みる。さらに、土地の劣化防止と炭素の貯留効果、好気的水管理によるメタンガスなどの発生抑制効果を実証して、温室効果ガス削減策を講じる。以上の開発技術の社会実装においては、農民参加型の栽培普及プログラムを取り入れ、普及手法の開発を行う。
詳 細:https://www.jst.go.jp/pr/info/info1764/index.html
※科学技術振興機構(JST)のウェブサイトに移動します。