研究テーマ

ビワ果実の大果生産技術の検討

我が国におけるビワは古くから栽培されており,馴染み深い果樹の一つです.

鹿児島県はビワ栽培が盛んな地域であり,栽培面積は全国3位を誇ります.

九州地方におけるビワ果実は,およそ5月~6月に収穫され,初夏の訪れを感じさせる貴重な果実として活躍しています.

近年では,ビワ果実の需要として大きな果実(大果)が求められるようになっており,大果になりやすい品種育成が進められています.

当研究室では,栽培管理方法の違いによって大果生産できないか調査・検討しています.

これまでに,①太い枝に大きな果実が結実しやすい,②結果枝(果実が着く枝)を少なく管理すると,枝が太く,果実重が大きい果実が結実することがわかりました(西澤ら20192022).

今後は,光合成産物の動態などを調査することで,果実肥大の要因を解き明かしていく予定です.

図.ビワ栽培の様子(果実に袋掛けを行った後の樹).

 

ビワ果実の比較
図.ビワ果実の比較

 

ヤムイモに関する研究

ヤムイモは温帯から熱帯に広く分布し,600種以上の仲間が存在します.

日本における自然薯なども同じ仲間に分類されます.

ヤムイモの多くはアフリカで栽培されており,世界的にも主要な食用作物として活用されています.

当研究室では,その中でも熱帯性ダイジョ(D. alata)を主な研究対象として,ヤムイモが持つ栽培特性について調査しています.

特に,有色素系ヤムの色素合成と栽培方法の関係性,葉の種類別の光合成特性,根塊肥大のメカニズム,その他いろいろについて調査しています.

図.ヤムイモの比較

アセロラに関する研究

アセロラは熱帯・亜熱帯で栽培されている果樹で,日本ではジュースなどでお目にかかることがあります.

条件が良いと年間に複数回果実が収穫できるという素晴らしい性質を持っています.

しかし,アセロラの生育特性については基本的なことしか解明されておらず,未知なことが多い果樹です.

当研究室では,物質生産の基礎である光合成能力に着目し,個葉の光合成活性を調査しています.

また,基本的な栽培管理方法も確立されていないため,生育調査や肥料反応性なども調査しています.

図.果実が実ったアセロラ

水耕栽培装置を用いた新たな施設栽培技術の検討

水耕栽培は,土を用いず養液のみで作物を栽培する方法です.

メリットとして,養液中の成分をカスタマイズしやすいため,作物の状態や生育に合わせた肥培管理ができます.

また,養液成分を劣悪な状態することで,環境ストレスを仕掛けた栽培も可能です.

当研究室では,全国でも有数な温泉資源の豊富である鹿児島県の特性に着目し,温泉水を利用した作物の水耕栽培について調査しています.

最近では,水耕栽培が難しいといわれるスイカに着目し,スイカの水耕栽培管理方法の確立を目指しています.

図.スイカの水耕栽培

島嶼地域の農業に関する研究

日本は島国であり,隣国へ移動するには必ず海を渡らなければなりません.

日本の中でも,小さな島々がたくさんあり,各島々で特有の作物が栽培されていたり,それを用いた独特の食文化が確立されています.

中には後継されることなく,消滅の危機に瀕している作物,食文化があります.

一方,海を隔てた島々では,同じ種類に分類される作物でも,形態がちょっとずつ違ったりと,新たな発見があります.

当研究室では,南西諸島の島々を中心に,そこで利用されている農作物に注目し,その作物の収集と保存を行っています.

最近では,南西諸島にわずかに残っているサトイモの仲間である「タイモ」に着目し,その収集と形態的特徴を調査しています.

ちょっとした違いを調査することで,将来農業で有用な品種を育成するための情報を収集することが目的です.

図.ミクロネシアに生息するサトイモの仲間「ジャイアントスワンプタロ」