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お知らせ

2018.08.28

教育研究

桜島大根の機能性成分と作用メカニズムの発見

桜島大根が血管を強くしなやかに伸び縮みさせる 
~桜島大根の機能性成分と作用メカニズムの発見~
 
 
 農学部食料生命科学科生分子機能学研究室の加治屋勝子講師、南雄二准教授らの研究グループは、浜松ホトニクス株式会社中央研究所の數村公子氏らとの共同研究により、桜島大根が血管に作用して機能改善をもたらすことを発見し、その機能性成分と作用メカニズムを発見しました。
 
 健康な血管は、ゴムホースのように伸び縮みして、心臓から送り出された血液を全身に送っています。この血管は、内膜、中膜、外膜の3層構造になっており、血液が通る内側から順に、内皮細胞、平滑筋細胞、コラーゲン繊維層でできています。この構造のおかげで、血管が強くしなやかに伸び縮みすることができ、血液を送るサポートができます。しかし、ストレスや加齢に伴って血管は硬くなり、血液が流れにくくなることで動脈硬化、高血圧を招き、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった命にかかわる病気を引き起こしてしまいます。
 
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(図:血管構造の図)
 
 本研究では、血管の伸び縮みを調節している血管内皮機能に着目し、桜島大根に含まれる「トリゴネリン」という機能性成分が血管機能を改善することで血管を強くしなやかに伸び縮みさせることを発見しました。この研究成果は、米国科学雑誌「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載され、Supplementary Journalの表紙に採用され特別解説されました。また、アメリカ化学会(ACS)から研究トピックス「モンスター大根の成分が心血管疾患の抑制に役立つ(Compounds in 'monster' radish could help tame cardiovascular disease)」としてプレスリリースされ、World Pharma New、The Global Source for Science News ”Eurek Alert”などに掲載された他、Medical News Todayでも「モンスター大根が心臓病との闘いを手助けするかも!('Monster' radish might help fight heart disease)」として取り上げられました。
 
※Journal of Agricultural and Food Chemistry, 66(33), 8714-8721, 2018.
Elucidating the Improvement in Vascular Endothelial Function from Sakurajima Daikon and Its Mechanism of Action: A Comparative Study with Raphanus sativus
Rei Kuroda, Kimiko Kazumura, Miki Ushikata, Yuji Minami, Katsuko Kajiya*
*責任著者
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jafc.8b01750
※World pharma newサイト
http://www.worldpharmanews.com/research/4508-compounds-in-monster-radish-could-help-tame-cardiovascular-disease
※The Global Source for Science Newsサイト
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/acs-ci080818.php
※Medical News Todayサイト
https://www.medicalnewstoday.com/articles/322729.php
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