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お知らせ

2022.05.20

教育研究

鹿児島大学オリジナル トルコギキョウ品種群 「奥玉洋」の誕生

トルコギキョウは、花持ちの良さや花色・花型の豊富さから、様々な用途に利用されている人気の高い切り花品目です。 
 このたび、農学部 観賞園芸学研究室と附属農場の共同で、大学オリジナル品種のトルコギキョウが誕生しました。

 観賞園芸学研究室では、トルコギキョウの花色,花形などの遺伝の仕組みを20年以上にわたり研究し,花色および花形形質に対応する遺伝子型を用いてトルコギキョウの新品種を作出する方法を開発しています(トルコギキョウの新品種作出方法,特許第4314241号および第6153213号)。また、附属農場では、トルコギキョウを農場実習の教材として用い、播種から収穫・調整までの切り花利用による栽培管理実習や研究室育成系統を用いた交配実習を行っています。
 2018年より、これら鹿児島大学農学部で行われているトルコギキョウの育種研究と切り花生産技術を活かし、オリジナル品種作出を目標に定め、調査研究を行ってきました。研究室がこれまでに育成してきた約90系統について、附属農場のハウス内で試験栽培し、有望系統21系統を選抜しました(関連文献はコチラpdfファイル)。選抜したこれらの系統は、トルコギキョウの鹿児島大学オリジナル品種群 ‘奥玉洋’(読み:「オーイヨウ」)と命名されました(登録商標第6490744号)。

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奥玉洋の一例


 オリジナル品種は、鹿児島県の温暖な気候を活かした冬春期出荷作型(半促成栽培3~6月収穫)において、冬季の無加温もしくは低加温栽培(低コスト、CO2排出削減)に適した特性を持っています。また、無加温栽培によるトルコギキョウ切り花は、栽培期間が長くなることにより、’じっくり’育ち、花のボリュームや茎の太さなどの品質、日持ち性が一般市販切り花と比較してよい傾向があります。

 鹿児島県の気候に適した新品種を作出することで、地域の花き農家や花き産業への貢献の一助となることが期待されます。現在、鹿児島県内の企業2社が’奥玉洋’の試験栽培に取り組んでいます。
 引き続き、希少性や新規性の高い花色や花形形質を持つ新たな系統も期待されていることから,大学オリジナル品種群’奥玉洋’のシリーズを増やしていきたいと考えています。

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栽培圃場の様子(農場実習)

 

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(中央)観賞園芸学研究室 橋本 文雄 教授
(左)附属農場 濵田 延枝 技術専門職員
(右)    同 田浦 一成 技術専門職員


 

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