基礎から応用まで 来たれ、植物育種学研究室へ

研究内容

作物における農業と関係の深い遺伝子の研究、作物品種の分類、起源、伝播に関わる研究を行っています。具体的には田畑で作物の栽培・調査と室内でのDNA、RNA、タンパク質などの分析からなります。

  • イネの白葉枯病抵抗性遺伝子の研究:細菌がもたらす世界的な重大病害の一つである白葉枯病に対して、イネのもつ遺伝子で対抗する研究をしています。
  • イネの人為突然変異に関する研究:イネに放射線を当てたり、化学物質を使って突然変異を誘発し、農業や基礎研究に役立つ遺伝子を探しています。現在、白葉枯病抵抗性に関する突然変異体の分析を中心に行っています
  • オーストラリアの野生イネの研究:オーストラリア北部(赤道に近い側)には栽培イネの祖先種である野生イネ(O. rufipogon) , 栽培イネからは遺伝的に遠い野生イネO. meridionalis, O. australiensisが分布しています。現地調査を行ったり、野生イネ同士、栽培イネと野生イネを掛け合わせて、オーストラリアの野生イネの起源を探る研究、野生イネの遺伝子を栽培イネに役立てるための基礎研究をしています。
  • イネの生殖隔離に関わる遺伝子の研究:雑種弱勢(雑種第一代が生育不良)、雑種崩壊 (雑種第二代以降に生育不良個体が出現)、雑種不稔 (雑種第一代が稔らない)、などを引き起こす遺伝子の本体を探る研究をしています。これらの現象は交雑育種の障害になり、克服すべきものであると同時に、種分化、品種分化に関する情報をもたらしてくれます。また、病気の原因を知ることで、普段の健康のありがたみが分かるように、生殖隔離の原因を知ることで、植物が如何に巧妙なしくみで健全に育ち、種を残すか、ということを理解できます。
  • イネ・アワの遺伝的多様性に関する研究・・DNAの塩基配列を調べることでイネ、アワの遺伝的多様性を評価し、起源や品種分化の研究をしています。
  • ボタンボウフウ(長命草)の改良に関する基礎研究・・鹿児島や沖縄の野草で機能性成分が豊富なことで注目されているボタンボウフウ(通称 長命草)は亜種レベルでボタンボウフウ(狭義)、コダチボタンボウフウ、ナンゴクボタンボウフウに分化しています。DNAレベルで亜種の違いを調べたり、亜種間の雑種に関する研究をしています。
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