研究設備について

食品保蔵学研究室で保有している主な機器類です。これらの機器や設備を利用して、農産物やその加工品の保存について研究しています。

●保存用インキュベータ(パナソニック製小型インキュベータ10台、大和冷熱製小型インキュベータ2台、大和冷熱製大型冷蔵庫2台)

保存をメインとしている研究室の必須アイテムです。最大で8つの異なる温度環境下で同時に同じサンプルの保存性を評価する設備です。インキュベータの中には、青果物を保存するための2L容小型アクリルデシケータを並べます。当研究室では、このデシケータを50個程度保有し、様々な環境での保存試験を実施できる体制を整えています。

●ガスクロマトグラフ(GLサイエンス製1台、島津製作所製2台)

検出器はTCD(熱伝導度型検出器)とFID(水素炎イオン化検出器)のみですが、農産物保存中の酸素、二酸化炭素、窒素、エチレン、アルコール、各種香気成分を測定することができます。メタナイザーを接続していますので、微量の二酸化炭素も測定する他、オートサンプラーによって8検体の連続的・自動的測定が可能です。

●液体クロマトグラフ

農産物の栄養成分(糖、有機酸、ポリフェノール等々)を測定するために利用します。オートサンプラー、PDA(フォトダイオードアレイ検出器)も付いているため、多波長のクロマトグラムを得ることができます。

●遠心分離機(久保田商事製3台、日立ハイテク製微量遠心機1台)

化学分析の基本装置です。最大23,000xgまで遠心が可能です。栄養成分や機能性成分だけではなく、遺伝子やタンパク質の分析にも幅広く使用します。

●分光光度計(日立製)

化学分析の基本機器です。キュベットに入れた液体の吸光度やスペクトルを測定して定量分析を行います。

●クリープメーター(山電製)

農産物や食品の硬さやテクスチャーといった物性を測定することができます。食品を食べたときの歯ごたえやパリパリ感、シャキシャキ感といった、栄養成分や香り成分とは異なる美味しさを評価することができます。

●LCRメーター(日置電機製)

電極を刺して周波数の応答を測定することで青果物内部の損傷レベルを評価することができます。

●PCR関連機器(アジレント製リアルタイムPCR、アステック製サーマルサイクラー)

遺伝子発現解析には必須の機器です。様々な環境で保存された青果物や、殺菌等処理した微生物のターゲット領域の遺伝子の相対発現レベルの解析に用います。

●オートクレーブ(トミー精工製1台、アルプ製1台)

実験に使用する器具類や培地を高圧蒸気滅菌によって無菌化するために必要な、微生物や分析を行う研究室では必須の機器です。

●凍結乾燥機(東京理化製)

農産物サンプルをマイナス60℃以下に冷却しながら真空ポンプで脱気して乾燥させます。栄養成分分析の前処理のために活躍します。

●クリーンベンチ(3台)

微生物を無菌的に取り扱うために必須の機器です。生菌数の測定といった実験に使用します。

●ストマッカー(オレガノ製2台)

農産物・食品の生菌数を測定するためのサンプル調整のために利用します。

●微生物培養用インキュベータ(10台)

微生物を付着させた液体培地や寒天培地を培養させます。

●コロニーカウンター(インターサイエンス製)

寒天培地に培養させたコロニーを測定します。瞬時に測定できるので、作業がとても楽になりました。

●微生物増殖モニタリングODメーター(タイテック製)

ロータリシェイカー上で培養させながら、液体培地の吸光度を測定します。微生物増殖の、誘導期、対数増殖期、定常期を自動的に測定できるため、都度都度の分光光度計での測定は不要になりました。

●微量分光光度計(IMPLEN製)

1μLといった微量のサンプルの吸光度やスペクトルを測定します。抽出したDNAやRNAの濃度測定に使用します。

●細胞破砕装置(タイテック製)

農産物や微生物の細胞を破壊し、DNAを取り出すために利用します。

●フーリエ変換近赤外分光光度計(サーモフィッシャー製)

サンプルの近赤外領域の吸収を測定します。吸収スペクトルを解析して、含まれる微量物質の定量評価を行います。

●マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス製1台、バイオテック製1台)

プラスティックプレートに注入したサンプルの吸光特性を測定します。農産物の抗酸化活性評価や、微生物の測定にも利用します。

●ケミルミイメージング装置(ヴィルバー・ルーマット製)

蛍光サンプルのイメージング、青果物のin vivoイメージングに利用します。

●蛍光顕微鏡(キーエンス製)

植物や微生物細胞の観察に利用します。