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学部長メッセージ


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農学部長

寺岡 行雄

 人類が持続可能で安定した社会を作るには、十分な栄養を取ることができるような安定的な食料生産や供給が必要です。2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)には、飢餓をゼロに、すべての人に健康と福祉を、気候変動に具体的な政策を、陸の豊かさも守ろうなど農学部に関連した多くの項目が挙げられています。農学部で学べることは人類の未来や世界の在り方への貢献につながる大きな可能性を持っています。一方で我が国では、食料自給率の向上、食の安全・安心の保障、農山村の活性化、人と自然との環境共生など、解決しなければならない課題が多くあります。また、一次産業従事者が減少する中、経験と勘に基づいた農林畜産業の仕事を見える化する、スマート農業に期待が集まっています。AI・ICTやロボット技術を活用した作業の効率化と労働生産性を向上させる先進的スマート農業を導入するためには、新たな知識や能力が必要になっています。農学部では、令和4年4月1日より農林環境科学科内に「スマート農学コース」を新設しました。新しい技術やDX(デジタル・トランスフォーメーション)の考え方の学びに加えて、農林畜産業に活用するためには、土や植物、生態系、栽培や加工技術など農学の基礎と専門知識をしっかりと身につけていなければなりません。
 鹿児島大学農学部は、日本で有数の食料生産地である鹿児島県に位置し、温帯から亜熱帯まで南北600kmにも及ぶ多様な自然環境を背景に、フィールド教育を重視し豊かな人間性と現場での実践力や応用力、広い視野と国際性を持った、創造性豊かな人材の養成に努めています。特に、農林畜産物と食料生産技術の開発、生物機能の解明と応用、食の安全性確保、森林生態系の保全と森林資源の活用、地域防災、農山村社会の活性化に関する総合的な課題を解決する能力を身に着けた人材の教育と研究に取り組んでいます。

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