研究概要

微生物を用いた遺伝子発現

当研究室ではE. coli, B. choshinensis, Saccharomyces cerevisiae, Kluyveromyces lactis, Pichia pastoris などの微生物をホストとし有用遺伝子の発現研究を中心に行なっている。 近年、ヒトの疾病原因遺伝子が多数同定されつつある。ポストゲノム時代を迎え、酵母発現系を用いゲノム情報を駆使した簡便・迅速な医薬候補物質スクリーニング系を構築すること等を目指している。

好塩菌由来酵素の高次構造形成

極 限状態で生育する微生物は、通常生物由来蛋白質が機能し得ない環境下でも働きうる蛋白質 を、生産している。当研究室では生育に高濃度塩を必要とする高度好塩菌及び広い塩濃度範囲で生育が可能な中度好塩菌を材料とし分子シャペロン (GroEL, DnaK)や、好塩性酵素の精製、性質検討を行なってきた。とくに高度好塩菌由来のNucleoside diphosphate kinase(NDK)については『好塩菌由来酵素はその活性発現、安定化に塩が必要である』という通念に反して、低塩濃度下でも活性型が存在することを 見出した。このNDKの他、種々好塩性酵素における蛋白質の変性・巻き戻り・活性化の関係について研究を進めている。

鹿児島オリジナル製品

桜島と錦江湾に代表される鹿児島は観光地であると同時に特有の文化を持ち、他地域には見られない特産品を全国へ送り出している。鹿児島ブランドとして、近年その機能性が注目されている黒酢や銘菓『かるかん』の原材料に関する研究も行なっている。