私達の研究室では、栄養学を主体として、ヒトや家畜が食品または飼料を摂取し、その中に含まれる栄養素(タンパク質、脂質、糖質、食物繊維など)が体内でどのように消化、吸収、代謝されるかを調べています。特に、骨格筋におけるタンパク質代謝、肝臓・脂肪組織における脂質代謝・糖代謝に注目して研究を進めています。また、最近では、「食物繊維が消化管内の細菌叢と生体内の代謝状態に与える影響」や「飼料中の抗酸化物質が体内(骨格筋や肝臓)の酸化ストレス状態に与える影響」に加えて、「畜産物の品質評価」などについても研究を行っています。
* 食品を対象とした研究の場合には、マウス・ラットをモデル動物として利用しています
筋肉の量は、タンパク質の合成量と分解量のバランスで調節されています。本研究室では、筋肉タンパク質の分解量を減らして、結果的に筋肉量を増加させる機能を持つ栄養成分に注目して研究を行っています。
摂取した飼料のエネルギーが脂肪細胞へ蓄積されると、結果的に筋肉量増加の妨げとなります。本研究室では、以下の機能を持つ栄養成分に注目して研究を行っています。
ウシ、ブタ、ニワトリは、暑さ(暑熱)に非常に弱く、夏季には生産性が低下してしまうという問題があります。周囲の温度が上がると、体内の活性酸素が増加してしまい、酸化ストレス状態に陥ります。植物や微生物由来の抗酸化物質(酸化ストレス状態を緩和できる物質)を飼料に混ぜることで、暑熱に対する家畜の生産性低下を防ぐ方法を調べています。
飼料中の栄養成分や飼養管理の方法は、家畜の成長や骨格筋の収量に加えて、食肉の品質(色、鮮度保持、味など)にも影響を与えます。本研究室では、食肉の品質向上や機能性付加による畜産物の高付加価値化を目指して、飼料組成や飼養管理方法の違いと食肉の品質との関連性の評価を行っています。