研究(畜産物の品質評価)

かごしま黒豚の肉質評価に関する研究

鹿児島県では、甘藷を10~20%含む飼料によって肥育後期60日以上肥育したバークシャー種を「かごしま黒豚」として銘柄化しています。鹿児島県内の食肉処理場における枝肉成績に関する調査により、かごしま黒豚(バークシャー種)の背脂肪厚改善による上物率向上の検討を行った。その結果、バークシャー種は、バークシャー種以外と比較して、背脂肪厚による格落割合が高く、上物率が低いことを明らかにしました(日本養豚学会誌 54, 168-176)。また、かごしま黒豚と三元交雑種(鹿児島県産およびカナダ産)のロースブロックを用いて官能評価と理化学検査を行った結果、かごしま黒豚の肉質特性として、官能評価から軟らかくジューシーであること、ならびに理化学検査から臭気物質の種類が多く、遠心水分遊離率が低く、旨味と甘味成分に富むこと、そして多価不飽和脂肪酸の割合が低いことを明らかにしました(日本暖地畜産学会報 62巻1号 17-24.)。