研究テーマ2(酵素)

植物多糖や植物糖タンパク質が有するビフィズス菌増殖メカニズムの解明

植物の細胞壁にはヒトの消化酵素では分解できないペクチンやヘミセルロースなどの多糖として存在する食物繊維だけでなく、エクステンシンやアラビノガラクタン-プロテインといったハイドロキシプロリンが豊富な糖タンパク質(HRGP)として存在する食物繊維も含まれている。2002年にビフィズス菌Bifidobacterium longumのゲノム情報が開示され、多くの糖質分解酵素の存在が明らかにされた.ヒトの大腸で私たちと共存しているビフィズス菌は、食物繊維を奪い合い(また協力して)利用しているようである.植物多糖やHRGPは便の増量剤になるだけでなく、B. longumのエサとなりプレバイオティクス効果を我々にもたらしている。HRGPはB. longumを選択的に増やすことができる「プレバイオティック糖タンパク質」である。

これまでの主な成果

β-アラビノオリゴ糖鎖を切断する酵素群を発見!!

β-L-アラビノフラノシダーゼ(BLLJ_0211) EC3.2.1.185に登録 GH127に登録
β-L-アラビノビオシダーゼ (BLLJ_0212) EC3.2.1.187に登録 GH121に登録

Ⅱ型アラビノガラクタンを切断する酵素群を発見!!

エキソ-β-1,3-ガラクタナーゼ(BLLJ_1840)
エキソ-β-1,6-ガラクトビオハイドロラーゼ(BLLJ_1841)
α-L-アラビノフラノシダーゼ(BLLJ_1854)